「期待値の話」リターンズ

数学I,確率

2001年11月28日宝くじ研究家 メールはこのアドレスへお願いします
2003年11月26日加筆
2005年1月10日加筆H16年年末ジャンボの期待値
2005年11月26日加筆H17年年末ジャンボの期待値
2006年12月加筆H18年年末ジャンボの期待値
2007年12月29日加筆H19年年末ジャンボの期待値

 平成13年11月27日から「高額当選者が去年の三倍」「一億円以上の高額当選者が462人」という宣伝文句と共に平成13年年末ジャンボ宝くじ(第432回全国自治宝くじ)の販売が開始された。

 そこで今回は(次回があるのか?)年末ジャンボ宝くじを例にとって,「期待値」を説明してみましょう。期待値というのは数学の「確率」という分野での平均値のことです。

 宝くじでは100,000番から199,999番までの10万枚を1組として,さらに01組から100組までの1000万枚を1ユニットと呼びます。平成13年年末ジャンボ宝くじでの1ユニットあたりの当選金と本数は次のようになっています。

平成13年年末ジャンボ宝くじ(第432回全国自治宝くじ),発売予定77ユニット

等級当選金本数当選金×本数
1等2億円12億円
1等前後賞5000万円21億円
1等組違い賞10万円99990万円
2等1億円55億円
3等100万円101000万円
4等10万円1001000万円
5等1万円10001000万円
6等3000円10万3億円
7等300円100万3億円
合計金額14億3990万円

 1ユニットは1000万枚ですから,宝くじ1枚あたりの平均金額(期待値)を求めると14億3990万円÷1000万枚=143.99円ということになります。これが年末ジャンボ宝くじにおける期待値です。

 えっ,ちょっと待って下さいよ。年末ジャンボ宝くじって1枚300円ですよね。ということは原価の倍以上の値段で売りつけている阿漕(あこぎ)な商売ということですか?。

■ 収支決算

 年末ジャンボ宝くじの取り扱い(受託)は第一勧業銀行ですが(2006年1月現在ではみずほ銀行),胴元は全国自治体(全国都道府県及び12指定都市)です。実際には自治体はな〜んにもしてません。自治体は名義貸しをしているだけで,黒幕の財団天下り法人日本宝くじ協会の意のままです(←「表示(V)」「エンコード(D)」で「日本語(シフトJIS)」にして下さい Internet Explorer)

 総務省(総務省は全国自治体の統括をしていた自治省が省庁再編で出来た省庁です)や日本体育協会などから多数の人間が天下っています。

 上記の表から1ユニットあたりの賞金総額は14億3990万円になることが分かります。

 上記の表から分かる「1ユニットあたりの一億円以上の当選者が6人である」ということと「一億円以上の高額当選者が462人」という宣伝文句から,販売されたユニット数は462人÷6=77ユニットであることが分かります。(実際には売れ行きをみながら発売ユニット数を増減させるので77ユニットより少なくなったり多くなったりすることがあります) 1ユニットの販売金額は300円×1000万枚=30億円となるので,77ユニットの販売額は77ユニット×30億円=2310億円となります。
 一方かかった当選払戻金額は

14億3990万円×77ユニット=1108億7230万円

となります。ということは

賞金総額は発売額の48.0%

でしかないわけです。

 つまり1ユニット(=1000万枚)を30億円出して買い占めても(必ず1等二億円・2等一億円を含めて,すべての賞が当たるわけですが)半分以下の14億3990万円しか戻って来ないわけです。

 一般的に宝くじにかかる費用は宝くじの紙代・宝くじの印刷代・売場の手数料・第一勧業銀行の手数料などは発売額の15%ほどといわれていますから,平成13年の年末ジャンボ宝くじの場合は2310億円の15%である346億5000万円ほどであると思われます。残りの37%(=100%−当選払戻金48%−手数料15%)の854億7770万円は

  1. 天下り協会の人間の給与に?(平成17年度 財団法人 日本宝くじ協会 収支予算書,PDF,261KB
  2. 宝くじ協会からさらに下部組織の天下り法人へ?
  3. 自治体に分配されるものの議員の海外視察などと称した物見遊山へ
  4. さんざん搾取された残りが公共事業のためなど

に使われます。図式化すると

            ┌→ 当選払戻金            1108億7230万円(48%)
  発売額2310億円 ──┼→ 手 数 料            346億5000万円(15%)
            └→ 天下りや議員の搾取と公共事業等  854億7770万円(37%)
となります。元手は紙代・手数料等ですから346億5000万円の元手で二倍以上の854億7770万円の純利益を上げたことになるわけです。つまり

宝くじは胴元が一番儲けている

ということになります。(競馬・競艇などでノミ行為がなくならないのはこの理由によります。胴元になれば必ず儲かるのです)

 発展途上国等でも年収の何倍もの賞金の宝くじが発売され,多くの人が夢を求めて宝くじを買っていますが多くはこのようなものです。(ちなみに日本では個人で宝くじを発売することは禁止されています)

 だから宝くじを買うときは寄付するんだと思って買いましょう。決して元を取ってやろうなんて気は起こしてはいけません。

 ちなみに高額配当の1等または2等の当たる確率は

(1本+5本) ÷ 1000万本=0.0000006

ですからこれはサイコロを振ったとき「1の目」が8回連続して出る確率とほぼ同じです(つまり にほぼ等しい)。さあ,あなたも「1の目」が8回連続して出るまでサイコロを投げてみましょう。何,あきらめることはありません。だって

あなたは宝くじで1億円以上の高額当選金を当てる気なんでしょう?。

天下りのため宝くじを買いましょう


■ 当選払戻金の推移

平成19年年末ジャンボ宝くじ(第532回全国自治宝くじ),発売予定74ユニット(実発売66ユニット前後のようだ

等級当選金本数当選金×本数
1等2億円12億円
1等前後賞5000万円21億円
1等組違い賞10万円99990万円
2等1億円33億円
3等1000万円33000万円
4等100万円202000万円
5等10万円3003000万円
6等3万円10003000万円
7等3000円10万3億円
8等300円100万3億円
年末幸運賞1万円1万1億円
合計金額14億万1990円

期待値=14億1990万円÷1000万枚=141.99円


平成18年年末ジャンボ宝くじ(第513回全国自治宝くじ),発売予定74ユニット

等級当選金本数当選金×本数
1等2億円12億円
1等前後賞5000万円21億円
1等組違い賞10万円99990万円
2等1億円44億円
3等10万円1001000万円
4等3000円10万3億円
5等300円100万3億円
大みそかラッキー賞1万円1万1億円
合計金額14億1990万円

期待値=14億1990万円÷1000万枚=141.99円


平成17年年末ジャンボ宝くじ(第498回全国自治宝くじ),発売予定74ユニット(実発売75ユニットらしい)

等級当選金本数当選金×本数
1等2億円12億円
1等前後賞5000万円21億円
1等組違い賞10万円99990万円
2等1億円33億円
3等500万円105000万円
4等1万円1万1億円
5等3000円10万3億円
6等300円100万3億円
60周年記念賞60万円1006000万円
合計金額14億1990万円

期待値=14億1990万円÷1000万枚=141.99円

 以前「当選番号の重複があった場合は高額の当選金しか受け取れない」として期待値を計算し直していましたが間違いであることが分かりましたので削除しました。


平成16年年末ジャンボ宝くじ(第484回全国自治宝くじ),発売予定74ユニット

等級当選金本数当選金×本数
1等2億円12億円
1等前後賞5000万円21億円
1等組違い賞10万円99990万円
2等1億円22億円
3等100万円101000万円
4等10万円1001000万円
5等3000円10万3億円
6等300円100万3億円
年末ラッキー賞1万円3万3億円
合計金額14億2990万円

期待値=14億2990万円÷1000万枚=142.99円


平成15年年末ジャンボ宝くじ(第466回全国自治宝くじ),発売予定72ユニット

等級当選金本数当選金×本数
1等2億円12億円
1等前後賞5000万円21億円
1等組違い賞10万円99990万円
2等1億円11億円
3等100万円101000万円
4等10万円1001000万円
5等3000円10万3億円
6等300円100万3億円
年末ラッキー賞1万円4万4億円
合計金額14億2990万円

期待値=14億2990万円÷1000万枚=142.99円
平成13年度のとき5本だった2等が,1本に減っている。


平成11年年末ジャンボ宝くじ(第393回全国自治宝くじ),発売予定73ユニット

等級当選金本数当選金×本数
1等2億円24億円
1等前後賞5000万円42億円
1等組違い賞10万円1981980万円
2等1000万円44000万円
3等100万円404000万円
4等5万円50002億5000万円
5等1万円2万2億円
6等300円100万3億円
合計金額14億4980万円

期待値=14億4980万円÷1000万枚=144.98円


平成9年年末ジャンボ宝くじ(第373回全国自治宝くじ),発売予定76ユニット

等級当選金本数当選金×本数
1等6000万円31億8000万円
1等前後賞4500万円62億7000万円
1等組違い賞10万円2972970万円
2等1000万円33000万円
3等100万円505000万円
4等5万円30001億5000万円
5等1万円1万1億円
6等3000円10万3億円
7等300円100万3億円
合計金額14億970万円

期待値=14億970万円÷1000万枚=140.97円


平成7年年末ジャンボ宝くじ(第347回全国自治宝くじ),発売予定87ユニット

等級当選金本数当選金×本数
1等6000万円63億6000万円
1等前後賞3500万円124億2000万円
1等組違い賞10万円5945940万円
2等1000万円44000万円
3等100万円404000万円
4等10万円3003000万円
5等1万円50005000万円
6等3000円4万1億2000万円
7等300円100万3億円
合計金額14億1940万円

期待値=14億1940万円÷1000万枚=141.94円

 こうして比べてみると期待値はほとんど変わっていないということが分かります。これじゃ「夢を買う」なんて言っている人間は,朝三暮四のエテ公と全く同じじゃないですか!。

 私は純粋に研究目的で宝くじを購入しているので,あなたとは違います♪


■ 有名宝くじ売り場で購入すると当選する確率は高い?

 そんなことはありません。有名宝くじ売り場であろうと,地方の小さな宝くじ売り場であろうとも当選する確率は全く同じです。有名宝くじ売り場は発売する枚数が多いので必然的に当選枚数も多くなり,確率も高いと錯覚するだけです。

 このようなデマを信じて有名宝くじ売り場に長蛇の列をつくるのは学がない人々です。(中学卒業程度の学力が身に付いていればわかるはずなんですけどね〜)

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