
地学IA,岩石の使われ方,「黒曜石」
2001年5月13日 
佐賀県伊万里市と西有田町の間にある「腰岳」は,かつて(はるか原始時代)黒曜石の産地として有名でした。黒曜石は石器の材料として使われていました。ナイフ型石器として狩りで捕らえた獲物を切り裂いたり,「尖頭器(せんとうき)」と呼ばれる,槍の先端につける鏃(やじり)として使用されました。感じとしては,黒っぽいビー玉を割ったような石です。佐賀県吉野ヶ里遺跡はもちろん,遠くは韓国の遺跡まで運ばれていました。今回は黒曜石の採取を目的として,佐賀県伊万里市の「腰岳(こしだけ,487.7m)」に登ってみましょう。
腰岳に登るにはいくつかのルートがあるのですが,今回は伊万里市にある「国見台運動公園」を起点とすることにします。駐車場があるので車で行くときは便利です。
運動公園にある「陸上競技場」から相撲場に降りていきます。すると「国見台運動公園」と「厚生年金休暇センター」の間の道に出られます。

山の方向へ五分ほど歩いて右折すると「渚公民館」があります(スタートから10分)。渚公民館の左の道を登っていくと腰岳に行けます。
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腰岳に行くには「トラピスト修道院」を通るので,「トラピスト修道院」を目指して行きます(スタートから15分)。
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しばらく登ると貯水タンクがあります(スタートから22分)。貯水タンクの脇に碑が立っていて石器の作り方や黒曜石の説明があります。
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石器のできるまで(左)
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石器のできるまで(右)
碑の足下には「黒曜石」が埋まっていることに気が付く人は,どれくらいいるのでしょうか?。ここのすぐ裏に「腰岳稲荷」に行く道があります。ほんの数分で行けるのですが,稲荷に向かう道はコンクリートで舗装されたばかりで,側面の土砂からは「黒曜石」が採取出来ます。
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《腰岳の黒曜石》 〜海外にまで運ばれた天然ガラス〜
日本各地に黒曜石(天然ガラス)の産地がありますが,北海道の十勝岳,長野県の和田峠,静岡県の神津島,島根県の隠岐島,大分県の姫島,そして佐賀県伊万里市の腰岳などが有名です。
佐賀県神埼郡神埼町と三田川町にまたがる吉野ヶ里遺跡(国営公園)から出土した黒曜石も腰岳産のものでした。
腰岳の黒曜石でつくられた石の道具は,九州では,もっともその分布範囲が広く,北は韓国の東三洞遺跡,東は兵庫県,南は沖縄本島の仲泊遺跡などからも出土しています。
これは荒海をこえて,腰岳の黒曜石が運ばれたということをしめしています。
丸木舟をつかい,原始的な航海術しかもたなかったと考えられている当時としては,おどろくべき分布範囲の広さです。
《鈴桶遺跡》 〜縄文時代の石器の加工場〜
ここは立花町の鈴桶遺跡といいます。この配水池をつくるときにも,伊万里市教育委員会によって調査され,石の道具(石器)をつくるときにでる,たくさんの石屑が出土しました。
したがって,ここは縄文時代後期(およそ4,000年前〜3,000年前)に,石器をつくるための加工場だったと考えられます。
ここから西に650mのところに二里町の鈴桶遺跡があります。鈴桶型石核や鈴桶型石刃などを出土した重要な遺跡です。
(注) 神津島は静岡県沖にありますが,東京都です…
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佐賀県伊万里市,腰岳産,黒曜石,平成13年5月13日
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佐賀県伊万里市,腰岳産,黒曜石拡大図(縦4cm),平成13年5月13日
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しばらく登るとレストラン「さくら亭」があります(スタートから36分)。案内板があるので「トラピスト修道院」方向の右に行きます。しばらくあるくと「修道院→」の案内板があり,「アスファルト道路」から「コンクリート道路」に左折します。
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途中の案内板(スタートから48分)。このあたりからはコンクリートの舗装道路になり,車一台やっと通れるだけです。
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トラピスト修道院裏門(スタートから1時間4分)
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修道院表門と腰岳への分かれ道(スタートから1時間8分)。そばには「千畳敷」と呼ばれる広い原っぱがあります。
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林道を歩いていくと右手に「山頂へ300m」という案内板があります(スタートから1時間21分)。登っていくとロープが張ってあるので伝っていきます。途中からはワイヤーに変わります。林の中は踏み後を確認しながら進みます。じっくり確認してください。私は下山のとき迷ってしまいました。
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腰岳山頂(スタートから1時間33分)
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山頂からの眺め
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山頂からの眺め
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山頂の様子
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山頂の様子
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山頂から「トラピスト修道院」をのぞむ
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下山のときにトラピスト修道院に立ち寄りました。伊万里に住んでいてもここに来たことがある人は殆どいないのではないでしょうか?。本当に人間が生活しているのかと思うほど,ひっそりしています。佐賀県伊万里市のトラピスト修道院は,北海道の函館にある「トラピスチヌ修道院」の分院です。
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